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誰でもカンタン!池井戸潤風「倍返し」の作り方

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ドラマ「半沢直樹」以来、池井戸潤さんの小説にはまってしまい、文庫化されている本はこの半年でほとんど読んでしまいました。

<私が読んだ池井戸潤作品>

果つる底なき
架空通貨
銀行総務特命
仇敵
最終退行
株価暴落
金融探偵
不祥事
半沢直樹シリーズ
 オレたちバブル入行組
 オレたち花のバブル組
 ロスジェネの逆襲
銀行仕置人
シャイロックの子供たち
空飛ぶタイヤ
鉄の骨
民王
下町ロケット
かばん屋の相続
ようこそ、わが家へ

池井戸潤作品といえばスカッとする「勧善懲悪」であり、爽快感溢れる「倍返し」なわけですが、これだけの作品を読むと、各作品に共通するいわば、池井戸流「倍返しの作り方」といえるような、水戸黄門的共通レシピが見出せてくるものです。

というわけで、私が考える、誰でもカンタンに池井戸流「倍返し」が作れるレシピをご紹介しようと思います。

池井戸潤風「倍返し」の作り方(レシピ)

原材料

  • 中間管理職の銀行員(主人公)
  • 嫌味な支店長
  • 銀行の重役
  • 重役派閥の次長
  • 他部署の同期か信用調査会社社員
  • 人事部次長
  • 融資事故を起こした取引先とその社長
  • 連鎖倒産した会社の社長か経理担当または自殺した社員の妻

ストーリーや設定によって主人公を様々な立場に変更することで、物語の味付けが変化します。(会社経営者、一社員、庶務行員、リストラ社員など)

嫌なヤツの存在と他部署の同期、信用調査会社は必須の原材料ですのでお忘れなく。

レシピ

①主人公の苦境
  1. 嫌味な支店長がことあるごとに主人公に嫌がらせや嫌味を言います。
  2. 主人公の意に沿わぬ融資を実行させられます。
  3. 案の定、融資事故になりますが、支店長の暗躍により責任を理不尽に押し付けられます。
  4. 支店長の手回しで人事部次長が出てきて「言い訳するな!」と叱責された上、今度の経営会議で出向だとか言い出します。
この間に可能な限りの苦境を主人公に与えることが物語の成否を分けます。

主人公が銀行員ではなく経営者の場合は、融資を「貸し剥がし」などに変えることで対応可能です。

嫌味な支店長も設定や役職によって様々な応用が可能です。(取引先の嫌な担当者、嫌な上司など)

 

また、この間にプライベートをゴタゴタさせたりすることで主人公の苦境感を煽ることができます。(例:鉄の骨「彼女が銀行員に寝取られる」など)

 

②主人公調査開始
  1. 本部の同期と愚痴りながら飲みます。支店長が本部で裏工作していることを聞きます。
  2. 融資事故が重役により仕組まれていたとか、取引先A社と癒着があったとかの情報を入手します。
  3. 裏情報を元に主人公が秘密裏に調査を開始します。
  4. 他部署の同期が情報を提供してくれたり、馴染みの信用調査会社が裏情報を提供してくれます。
  5. 調査により取引先A社の取引先であるB社、C社が登場し、資金洗浄の抜け道だと判明します。
  6. 重役の腹を探る主人公に、重役派閥の次長や取引先A社お抱えのヤクザが「調子に乗るな」と忠告します。(たまにこのタイミングで暴漢に襲われたりします。例:果つる底なき

物語の進行において協力者の存在は不可欠です。

特に主人公を銀行外の人間にした場合、得体の知れない会社の信用調査のため、銀行の知り合いを使う…などはストーリーを円滑にするための重要要素となります。

(時折、その人脈は都合よすぎだろ!って思う場面もありますが。。。。
例:架空通貨「主人公は学校の教師だが前職の関係で信用調査会社に友人がいる」など)

 

また、この支店長を「ライバル派閥のエリート」などに変えると味付けが変わります。

時折、ライバル派閥のエリートが主人公を買収しにかかることがあります。その場合、多くは希望の部署への栄転を条件に出し誘惑します。

一瞬主人公は迷いますが、結局断るというパターンです。

断った後、「夢にまで見た○○部へ行けるチャンスを棒に振るとは、俺もつくずくバカだな…」などとつぶやき、しかし、心は晴々としているという描写が続きます。(例:空飛ぶタイヤ

 

初期の池井戸作品では、主人公に忠告したり攻撃をするのは、たいてい裏金工作をする取引先お抱えのヤクザが多く、実際に暴力を振るうこともありますが、最近はライバル行員や人事担当者が張り付けたような無表情で、脅しともいえる人事や貸しはがしを匂わせる…という展開が多いようです。

 

③重要証拠の存在と経営会議
  1. 連鎖倒産した会社の社長やC社の経理担当、もしくは自殺した社員の妻が裏帳簿を持っていることが判明し、交渉を試みますが難航します。
  2. その間も裏金作りは着々と進み、経営会議と同日に、秘密の取引や粉飾を知った上での違法な稟議が承認される…という展開になります。
  3. 支店長の差し金で全責任が主人公にあるという方向で話がまとまり、地方への出向が決定的になります。
  4. 汚名返上以外に銀行で生きる道がなくなります。果たして間に合うのか!?

物語では多くの場合、「粉飾」と「裏帳簿」が重要な要素となります。

裏帳簿の入手交渉はたいてい一回目は失敗します

何らかの弱みを握るか、帳簿を渡せない理由を取り払ったり、何らかのメリットを提供したりすることで後日連絡が入るパターンが多いです。その場合の描写は「そのとき、主人公の携帯電話が着信を告げた。」とか、誰からの電話かは明かさないことが多いです。

 

また、ストーリーの秒読み間を出すため、このタイミングで出向先がどこで、何時ごろという情報が明らかにされます。

 

④運命の経営会議で倍返し!
  1. 運命の経営会議が開かれます。
  2. 経営会議に主人公が登場。裏金作りを差し止めを伝え、衆人環視の中、決定的証拠である裏帳簿を突きつけます。
  3. 倍返し!
  4. 倍返しされた相手は「資料に視線が釘付けになり」「表情が抜け落ち」「ガタガタと震え」ます。

勝負の場は、基本、衆人環視の場で行われます。銀行ネタであれば経営会議の場がほとんどです。

これは「倍返し」された方の屈辱感を増幅するためと思われます。

経営会議の場で倍返しされると相手は「資料に視線が釘付けになり」「表情が抜け落ち」「ガタガタと震え」ます。最近の池井戸作品では「表情が抜け落ちる」ことが多いようです。


エピローグ
  1. 新聞記事で頭取と取引先Aの社長が特別背任で逮捕されたことが報じられます。
  2. 協力してくれた同期からの伝聞で嫌味な支店長が人事部の出向待ちになったことと、自分が栄転する見込みであることを知ります。
  3. 同期が自分の貢献を訴え、今度メシを奢る約束をします。
  4. 小説のタイトルにちなんだ一言をつぶやき、乗っていた営業車を発車します。(例:最終退行「最終退行キーはみすみす渡す気はないんでしょ」

エピローグは基本的に伝聞で展開します

多くの場合、協力してくれた同期からの連絡で「感謝して欲しいね」「ああ、今度奢るよ」などのやり取りが行われるケースが多いです。

前半でプライベートがゴタゴタしていた場合、エピローグで圧倒的なウエポンが提供され、勝利を匂わせるという手法が使われます。(例:最終退行「妻恭子の浮気の証拠」

気になる協力者のその後や被害を受けた会社のその後については、匂わせるだけで語られません。蛇足になるからということだと思われます。

最後の締めはシチュエーションにより様々ですが、小説のタイトルにちなんだ一言を残すことが多いです。

 これであなたも倍返しだ!!

半沢直樹 -ディレクターズカット版- Blu-ray BOX

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