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まとめサイトの転載禁止で2ちゃんねるのオワコン化は加速するだろうな

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2ちゃんねるが主要板転載禁止の大ナタを振るったことで、大手まとめサイトが大打撃を受けてで弱小まとめサイトがボコボコ閉鎖したり、痛いニュースがクソつまんなくなったりとか色々話題ですね。
2ちゃんねる転載禁止の余波で「痛いニュース」が迷走中 - Hagex-day info

2chまとめサイトが無くなったらまとめ民はどこに行くのか

ほとんどはどこもいかないでしょうね。
まとめサイトのユーザーのほとんどは、仮にまとめサイトが無くなっても2ちゃんねるに合流することはないんでしょう。

結局、まとめサイトを見て楽しんでいる人っていうのは、安全地帯から魑魅魍魎たちの楽しげなやり取りを見ていたいというだけなんですよ。自ら2chの一員になって魑魅魍魎たちと遊びたいとは思ってない。楽しげなネタを安全なところから覗いて、内心バカに出来ればいいわけです。

例えれば、世界の珍獣に立ち向かうイモトアヤコをテレビを通してみるようなもの。ダチョウ倶楽部のおでん芸をテレビで笑っているようなもの。出川哲郎をワニと戦わせてリアクション芸を楽しむようなものです。実際に自分でやってみようとはなかなか思わないわけですね。

そういうライトユーザーにとっては、まとめサイトはうってつけだったわけです。だからこそこれだけ流行ったんですね。

 

良くも悪くも2chの表玄関になってたまとめサイト

で、今回の転載禁止ですが、この決断で2chは良くも悪くもオワコンへの道を進むことになるんじゃないかなと。まあオワコンというか、正確にはより閉鎖的になるという感じでしょうか。

上で、まとめサイトがなくなってもユーザーはどこにも行かないといいましたが、どこにも行かないということは、人口も「増えない」ということなんですよね。

例えるなら、一視聴者だった人がダウンタウンに憧れてお笑い芸人を目指すように、ユーザーから本職に転じることは多数あるわけですが、それもテレビやラジオ、劇場というライトユーザーが触れられる媒体あってのことであって、何の接点も無ければまず興味を持たないし、仮に興味を持ってもいきなりガチンコバトルに放り込まれるのはきつい訳ですよ。

最初は雰囲気を知って、軽くやってみて、徐々にはまっていくというステップが一般人には必要なんです。野球をやりたいならまずお父さんとキャッチボールをして、少年野球に入り、高校野球をやって、プロっていう。プロもしかない世界にはなかなか入って行けない。

良くも悪くもまとめサイトは新規ユーザーの表玄関になってたわけですね。

電車男

電車男

 

 

老人ホーム化する2ちゃんねる

まとめサイトから流れてくる新参などいらん!」という人がいるかもしれませんが、ひろゆきさんやけんすうさん曰く、新参を拒む古参の方がコミュニティのガンになるそうです。
コミュニティの流行と存続に必要なのは新陳代謝であり、逆にコミュニティを潰すのは「過度な馴れ合い」なんだとか。新参が入りやすく抜けやすい。そして、古参が幅を利かせて内輪ウケが横行しだしたら危険信号なので、アク禁して強制的に新陳代謝を促すと。

最低限のルールの一番最初に「必要以上の慣れ合いは慎む」というのがあります。これは先ほどのところとも連動しますが、参加者同士が仲良くなると、裏側に文脈ができてしまいます。つまり、あの人が言うからこれは正しいというような属人情報がついたり、この話は前にこういう議論を経て、こういう結論がでているから、もうこれ以上言わなくていいよね、的なものが出来たりしてしまうのです。

もちろん、これらの話というのは、Webに限らず、どのコミュニティでも一緒です。
たとえば、サークルに入った時に、100人が超仲がいい人たちがいたら、入りづらいですよね。それと同じです。

2ch上での意外な「最低限のルール」 - 流行るWebコミュニティを考える - nanapi社長日記 @kensuu

例えば5人が1年間バイクの話をしているとしますよね? で,そこにそのバイクを好きな人が一人,たまたま入ったとします。5人がめっちゃ仲良くて,赤の他人が一人で入ったら,いきなり会話に参加できるかっていう状態になるじゃないですか。属人情報をなくすと,単にバイクの情報を書けば参加できる,参加しやすいっていうのがあるんですよね。

4Gamer.net ― [OGC2008#03]「2ちゃんねる」と「ニコニコ動画」のひろゆき氏が語る,ゲーム・コミュニティ・文化

今回の「転載禁止」の決断で、そもそも魑魅魍魎たちの棲家だった2chがさらに閉鎖性を増し、参入障壁が高くなったことは間違いないわけです。住人たちが「自治」の名の下にライトユーザーとの接点を絶つ決断をしたのですから、当然の結果です。

しかし、人が年を経て成長し、そして老いるように、ユーザーも成長し、老いるわけです。

- 新しい人が一斉に入ってくる

- すごい盛り上がり、活気がでてくる

- その人たちが年をとる

- 老人ばかりの街になって活気がなくなる

2ちゃんねるが古参ばかりの老人ホームにならないためには、ライトユーザーから住民に成長する人が出てくる必要があるわけですが、今回、その参入障壁を高くした。
それでも、その壁を越えてユーザーになる人もいるかもしれませんが、以前ほどの勢いも無い上、最近のインターネットは昔と違ってコンテンツが山ほどあふれかえるようになりましたのでそう多くはないでしょう。もはや、2ちゃんねるだけがネットのトレンド発信基地ではないのです。
そういうコミュニティの存続とユーザーの育成という点で、何らかの踏み切り台は必要なんじゃないかなと思うんですね。それがまとめサイトなのかどうかという議論はあるでしょうが。

僕が2ちゃんねるを捨てた理由 (扶桑社新書 54)

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2ちゃんねる衆愚政治の罠に堕ちたのか

そう考えると、今回の結論ってコミュニティの全体や将来についてキッチリ考えられたものなんでしょうか?

2chユーザーによるの多数決で転載禁止が決められたとのことなんですが、どうも自分たちがムカつくとか、気分がいいとか、まとめサイトで暴利をむさぼってるヤツをぶっ殺そうみたいな感情的な理屈が見え隠れするんですね。

もし、それらの考慮が無く、先住民たちが今の自分たちのことだけを考えて出した多数決をそのまま採用するって言うのは、衆愚政治以外の何者でもないのではないわけです。

政治とかでよく言うのは、優れたリーダーは全体や将来のために、時に「誤った多数派」を無視しなければならないと。
多数派に迎合する「ポピュリズム」っていうのはかつての民主党社民党などの、耳聞こえはいいが実現性や将来像を伴わないマニュフェストと同じことです。一見、全体の意見に従ったよい自治をしているように見えますが、目先の利益を追った近視眼的な政治観でしかない。

そういう意味で新しい管理者の人は今はどうも持ち上げられているようですけど、「意見を積極的に吸い上げてる」んじゃなくて、「衆愚に流されている」だけなんじゃないかなとも思うわけですね。確かにひろゆきや旧運営はユーザーの言うことを聞かなかったかもしれませんが、彼らの仕事が「安定的に場を提供し続ける」ことにあるのであれば、そのために無視すべきものを無視するのは正しい態度だったようにも思うんです。

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書)
 

 

結局お金の話になってるけど、それで言いわけ?

色々書いてきましたが、まあ正直、そんなにまとめサイト中毒のような人間ではないので、今回の決定によってそんなに影響も無ければ思いも恨みもありません。でも、最後にちょっと引っかかることが。

まとめサイトが嫌われる理由に、「自分でコンテンツを生み出さず楽して収益を得ている」点とか、悪いサイトの中には収益目当ての杜撰な編集や作為的な煽りをしたり、果ては捏造とかもあると思います。

でも、今回の規約変更の本当の目的は「運営費捻出」の名のもとに行われる2ちゃんねるの収益化であり、2chの過去記事がまとめサイトに分散しちゃうとPVにならないんで、アクセスを2ちゃんねるに集約して「みんなバナー押してね」ってことだと思うんですね。
てことは、広告収益を得る主体者が2ちゃんねるになるか、まとめサイト管理人になるかっていう、「住民不在の金の話」な気がするんですけど、本当にこれでいいんですかね?「場」としてのあり方とか特に考えないものなんでしょうか?

作っている僕の目的がお金を取ることなら,コントロールする必要があるんですけど,中の人が満足しているなら別にかまわないというポジションを取っているので,そういう意味では全部安定しているという感じに,僕には見えるんですよ。
4Gamer.net ― [OGC2008#03]「2ちゃんねる」と「ニコニコ動画」のひろゆき氏が語る,ゲーム・コミュニティ・文化

一部の引用なので色々誤解もあるかもしれませんが、2ちゃんねるへのひろゆきのスタンスが分かる一言だと思います。
確かに、運用費が賄えなくてヤバイならそれは問題ですが、中で「場」を楽しむ人なしにコミュニティは存在し得ないわけですから、もう少し視野を広げて「今の中の人は多少イラっとするかもしれないけど、長期的には中の人にメリットがある」っていう視点もあっていいんじゃないかなと。短期的な収益の最大化より、継続的なプラスを求める方が良いこともありますからね。

ひろゆきの自作自演という噂もあるようですが、そうだとしたら上記との言説の不一致が記憶喪失レベルで正直がっかりですけどね。

いっそ、目先のお金の話はWikipediaみたいに寄付金を募ってもいいんじゃないですか?それより場がなくならない方が大事だと思いますけどね。

ウィキペディア・レボリューション―世界最大の百科事典はいかにして生まれたか (ハヤカワ新書juice)

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