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名言3「アナタモ、『ビジネスマン』デショ?」上野アメ横のケバブ屋

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営業嫌いなんですよ。もう恐怖症なんです。

新卒のときにWEB広告の営業をやったことがあって、任されたエリアが上野の飲食店っつー、まあインターネットの「イ」の字も出ないようなエリアが担当になりまして、それは泣くほど契約取れなかったんです。まずテレアポしても、一日200件電話してアポ0とか。ようやくお店に行っても事前連絡したのに追い出されたり。会社に帰れば上司に「何で帰ってきたの?」と言われる始末。もうどうしていいか分からない。会社爆発しろ。

そんな絶望的に契約が取れず死にそうな中、上野公園の西郷さんの前で死んだ目でテレアポをしていると、アメ横にあるケバブ屋が会ってくれるというのです。

もう藁にもすがる思いですよね。
上司「ウチのサイトは高級路線で行くんやで!」とか、「うるせえ」と。
ケバブ屋じゃと。こちとら立ち食いじゃと。

そんなわけで会いにに行くわけです。

で、現れたのは今まで接してきた人類(human being)の中でも3本の指に入るような屈強なアフリカ人社長さん。一瞬生命の危機を感じ、帰ろうかと思ったのですが、話してみると超いいヤツなんです。明るいし、真面目だし、商売センスもある。上野の町を誰よりも愛していて、道ゆく人は全員友達と思っているようなヤツなんです。

で、前向きに検討してくれるって言うので、その日はウキウキで帰ったのですが、一週間後、また会いに行くと外国人社長、すごい暗い顔しているんです。

どうやら、日本人の奥さんが絶対ダメだと。申し訳ないと。

先ほども書いたとおり、こちらは藁をもつかむ思いですから。「そこを何とか!」となるわけです。食い下がる私、奥さんが相当怖いらしく絶対に折れない外国人社長。押し問答が続きます。実際は数分だったと思いますが、何時間にも感じられました。

そして、私自身引くほど粘ったとき、発せられた言葉がこれです。

 

「オニイサン、コレ『ビジネス』ネ。アナタモ、『ビジネスマン』デショ?」

 

ハッとしました。

ノルマに追い立てられた私がやっていたのはビジネスじゃなくて、押し売りに等しい行為だったわけですね。そして社長さんは私のことをサラリーマンとか、セールスマンとかではなく、「ビジネスマン」として見てくれていた

自分のためじゃなく、相手のため。相手のためが、自分のため。

そういうビジネスの基本をケバブ屋の外国人が思い出させてくれた気がします。その外国人社長的には断るための特に何か意味のある言葉ではなかったかもしれませんが、未だに強く印象に残っていて、何かあるたびに「ビジネスマン」であらねばと心新たにするのです。

今でもそのケバブのお店は絶好調で営業中です。アメ横を通るとそのケバブの匂いがして懐かしく感じることがあります。そして、青かったあの頃を思い出すのです。

イヤな客には売るな! (祥伝社黄金文庫)