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【ソチ五輪】韓国メダル激減!お家芸スケート惨敗の理由を考えてみた

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前回のバンクーバーオリンピックで絶好調だった韓国スケート陣が、今回のソチオリンピックでは物凄い不振(現時点:金1、銀1、銅1)だとか。
まあ、スポーツだからそういうこともあるかもねって、日本人である私は思ってしまうのですが、かの国ではそうではなさそうで、「黒海に沈め」とか「帰ってくるな」とかえらい言われようだそうです。
ソチ五輪、メダル逃した韓国選手に「死んでくれ」 国内ネットユーザーから罵詈雑言の嵐 (1/2) : J-CASTニュース

まあ日本にも、負けて「楽しかった」とか言うなとか、果てはメダル噛むなとか面白いことを言う人がいるようですけどね・・・。
さて、この韓国のスケート陣の不振について、その理由を色々と考えてみました。

国策としての韓国スポーツ戦略

そもそも、韓国のオリンピックへの取り組み方って「国策」っていう側面が非常に強いですよね。税金をガッツリ投入して強化して、五輪ではメダル必達!っていう。それ自体は悪いことじゃないと思うんですよ。それによって光が当たる選手も多くいるでしょうし、メダルが取れれば国も盛り上がるでしょうしね。

安倍総理がフィギュアで金メダルを取った羽生選手に電話した後の羽生選手のリアクションが、「終わり?終わり?ふぅ~」っていう「お偉いさんの相手は大変ですな」って言う感じのテンションだったのを見ると、ある意味日本のスポーツ界は、政治とスポーツを切り離しているという点については天下一品という感じがします。スポーツはあくまでスポーツとして頑張ってもらって、でも、いい結果が出たら一応偉い人が褒めますっていう。

その点、韓国は「国策」ですから、ぶら下げるニンジンが違います。男子なら「兵役免除」がありますからね。その上、メダリストには年金制度も存在しているということで、国がその選手の一生すらサポートしてしまう素晴らしい体制が存在します。
韓国、五輪の金メダリストには「兵役免除」と「年金支給」 [サーチナ]

日本にももちろん報奨金はありますが、JOCからは金300万円、銀200万円、銅100万円という一発のみであり、その他スポンサーや所属元からの報酬がある選手もいますが、スポンサーを獲得できないようなマイナー競技だとそれが発生しない場合もあるようです。
「スポーツと政治」「スポーツとお金」の関係を見ても、韓国がいかに国を挙げてスポーツを推進しているかが分かると思います。

それに呼応するように、国民も異常なテンションです。今回のソチオリンピックでもショートトラックのリレーで敗退した際、転倒した仲間がネットで叩かれるのをかばって、「僕たちの兵役免除のためにがんばってくれた」などと発言し、火に油を注いだとか何とかって言うニュースもありました。

ソチ五輪、メダル逃した韓国選手に「死んでくれ」 国内ネットユーザーから罵詈雑言の嵐 (1/2) : J-CASTニュース

転倒したイ選手を、チームメイトで後輩のシン・ダウン選手がかばったことが、火に油を注いでしまった。

   中央日報日本語版(2月15日付)によると、シン選手が書いた手紙を、大韓体育会はツイッターに掲載。「ホソク先輩はノ・ジンギュ先輩のケガで突然オリンピックに出場することになりました。十分に準備できていない状況でも、リレーのメダルをとるために、私たちの兵役免除のために苦労されました」と訴え、「決勝に進出できず最も悔しいのは私たちなのに、なぜ皆さんが悪口を言うのでしょうか。どうか叱咤はやめてください」と伝えた。
   この「兵役免除のために」が、よくなかった。オリンピックへの参加目的が「兵役免除」ではないかとの憶測が広がり、「怒り」の矛先がシン選手にも向けられた。

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韓国のメダル至上主義「取れるところから確実に取る」

あと、韓国って、得意種目は物凄く得意。言ってみれば偏ってますよね。
特にスピードスケートとショートトラックは前回大会でお家芸といえるほどメダルを量産しました。前回大会で言えば14個中13個がスケート競技(フィギュアも入れれば全てがスケート)です。もちろん、国土や地形の関係でスキー場があまり多くないなどの事情もあるかもしれませんが、これは「国策」ならではの事情があると思うんですよ。

スポーツを国策にする以上、目指すのはメダルただのみです。いかに数多くのメダルを獲得して、国威発揚に貢献するか。

とはいえ、全ての競技でメダリストを輩出するのは現実的ではありません。西欧人との体格差もありますし、先ほど言ったようにあまり多くないスキー場などの地理的な事情もあります。であれば、自ずと勝てる競技というのは絞られてくるわけですね。それが、冬季オリンピックならスケート競技なわけです。

勝てる競技を見極めて、育成に重み付けをしているわけですね。

それは夏季オリンピックでも同様です。
韓国は前回のロンドンオリンピックでは金メダル13個で全体5位という華々しい結果を残していますが、そのうちの約半数にあたる6つを射撃とアーチェリーで取っているんですね。銀、銅を含めると全メダルの3分の1が射撃とアーチェリーです。その他の競技の金メダルで言えば、フェンシング2、柔道2、テコンドー1、体操1、レスリング1と、決して悪くはないですが、割と地味という感じ。メダル総数では韓国は28個、日本は38個ですから、競技の偏りと射的系競技の異常な強さが際立ちます。

元々以前から、韓国は射撃とアーチェリーに定評があります。とりわけ女子団体においてはソウルオリンピックからの7大会連続金メダルと完全にお家芸なわけですが、何故この2競技が異様に強いのかといえば、

  1. 体格に左右されず、
  2. 地理的な条件が関係なく、
  3. 狭くても十分な練習が出来る
  4. 競技人口が少ない

という「お家芸」の条件がバッチリ揃っているわけですね。
競技に関わらずメダル獲得を至上目標としている韓国政府にとっては完全に狙い目です。他国に負けない強化費を投入し、兵役免除や年金といったニンジンをぶら下げれば、選手たちも勝てる可能性が高い競技ですから自ずと集まってきます。この狙い目3条件はショートトラックやスピードスケートにも共通します。

では、体格的にも地理的にも、同じように考えそうな日本が何故(弱くはないが)強くないのか。それは、競技としてマイナーだからに他なりません。

前述のように日本はスポーツと政治が完全に切り離され、スポーツはスポーツとして取り組むお国柄。
そういうテンションで取り組む場合、日本には選択肢が山ほどあるのです。
メジャー競技に取り組んで高い年俸と知名度でモテモテになるのもよし、スノーボードの国母君のようにスポンサーを掴まえて板一枚で食っていくもよし、マイナー競技に情熱を傾けオリンピックを目指すもよし、と。良くも悪くも多様化しています。

そうなれば、選手は自ずと分散されますよね。そして、全競技に等しく注力できるわけではないことから「勝てるかどうか」よりも単純に競技人口で強化費が割り振られる結果になります。自ずと、日本はメジャー競技での激しいメダル争いが必要となり、マイナー競技はほぼ個人の努力に委ねられることになります。そして、メダル数競争では後塵を拝することとなるわけです。

韓国のこの戦略は大変合理的ではあるものの、見込んでいた競技でメダルが取れないと他でリカバリーができないという諸刃の剣でもあるのです。

 

韓国不振の原因は運と「兵役免除」のシステム上の欠陥?

正直、今回の韓国選手の不振は「運」も多分にあるでしょうが、一点、制度上の問題があるとすれば、韓国の強みでもあるはずの「兵役免除」にシステム的な欠陥があるのではないかと。

どうやら「兵役免除」は正確には免除ではなく、兵役期間の3年間をその分野(この場合その競技)に当ててくださいよということのようなのです。つまり、引退できないんですね。引退すると兵役だそうで。

韓国、五輪の金メダリストには「兵役免除」と「年金支給」 2010/02/17(水) 13:56:39 [サーチナ]

さらに、男子選手には兵役免除の特典も用意されている。オリンピック以外にも、アジア大会や各種目の世界選手権大会で金メダルを獲得した場合も兵役の免除が適用される。正確には、免除ではなく兵役の3年間を該当分野で活躍してほしいとのこと。ただ、メダル獲得後すぐ引退した場合には兵役の義務が生じるそうだ。

これが強化に一役買うのと同時に、選手間の軋轢を生む原因になったり、衰えた選手が代表に選ばれる現象を生んでいるんじゃないかなと思うんですよね。
やっぱりこれから兵役年齢に差し掛かる選手からすれば、すでに結果を出した選手は「もう兵役免除やねんから出んなや!」ってことになりますが、当の本人からすれば年金額の増額もしたいし、何より兵役を逃れた以上、それ相応の結果が求められます。ギクシャクしてるけど、結果は求められる。で、競技を絞ってるからひとつ歯車が狂うと全部狂う。国民も怒り狂うというね。

実際に、ロシアに国籍変更して金メダルをとったビクトル・アン選手はそういういざこざに巻き込まれたといっています。ビクトル・アン選手は韓国体育大学出身ですが、スケート界は別の派閥が中心になっており、韓国体育大学出身者は疎まれ、まともに練習すら出来なかったとか。

【ソチオリンピック】ロシア国籍選んだ元韓国代表エース 金メダルで母国にリベンジ

こうした輝かしい実績の裏で、韓国のスケート界の激しい派閥争いに悩まされていたと、韓国の通信社「news1」は伝えている。「韓国体育大出身のアン・ヒョンスは、〝非・韓国体育大〟閥が主流だった当時のショートトラック韓国代表チームの中でいじめられ、男子代表コーチからの指導を受けられなかったために女子代表のコーチのもとで練習した」という。

韓国の軍隊―徴兵制は社会に何をもたらしているか (中公新書)

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キム・ヨナが最後の希望。

さて、本日以降でスピードスケート系競技の残りは6競技。すでにメダル数では前回大会の計14個を下回ることは確定的な状況ですが、なんとか帳尻を合わせるには残り一つも落とせない状況です。

勝てば英雄、負ければ国辱というお国柄のお隣です。
キム・ヨナ氏にもハンパじゃないプレッシャーがかかってますね。